「これ、ほんとに通るの…?」
冷蔵庫の買い替えを決めた時、最初に頭をよぎったのはそんな不安だった。
新しく届く大型冷蔵庫は、サイズも重量も堂々たる存在。問題はうちの玄関と通路が、その立派な体格に見合っていないかも…、ということ。
寸法的には「ギリギリOK」だけれど、図面上でのOKと現実のOKはまるで別物という不安を抱えつつ、ドキドキしながら迎えた設置の日、我が家はさながら“冷蔵庫との知恵比べ大会”の会場に様変わりした。

そんな緊張をものともせず登場したのは、搬送・設置のプロフェッショナルチーム。
彼らはまず冷静に玄関と通路をチェックし、ルートを頭に描きながら、まるでパズルのピースをはめ込むような緻密な準備を始めた。そして実際の搬入作業が始まると、その手際の良さに思わず見とれてしまった。
わずかな角度の調整、呼吸を合わせたタイミング、そして絶妙な力加減。「職人技」とはまさにこのこと、と尊敬の眼差しで作業を見守ること約20分、壁に傷ひとつつけることなく、冷蔵庫の設置を無事に完了してくれた。
感動すら覚えたその光景に、ふと自分たちの仕事を重ねてみた。私たちもまた、日々ライティングや翻訳という“言葉の通路”を通して、読み手の心に届く文章を届けるプロだ。見えないところで緻密に構築し、違和感なく“設置”する。
プロの仕事に触れることは、自分の仕事を見つめ直す良い機会。“ぴったり収まる形”を求めてご相談くださるお客さまの期待にこたえるべく、今日も言葉と向き合う。