様々なメディアの報道で、DX、CX、UXなど、Xを含む略語に毎日のように出逢います。初めて出逢った時に、これってなに?と慌ててネット検索をした経験は誰でもおありかと思います。
そこで、世の中には「X」が含まれる略語にはどのようなものがあるか、「今さら聞けない○○」という気持ちから、生成AI(チャットGPT)に問い合わせてみました。
まずは、ビジネス・経済分野に的を絞って質問した結果、以下の回答が得られました。
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■トランスフォーメーション関連(筆者註※)
DX: デジタルトランスフォーメーション (Digital Transformation)
→ IT技術の活用による業務やサービスの変革
GX: グリーントランスフォーメーション (Green Transformation)
→ 環境負荷の低減、脱炭素化の取り組み
SX: サステナビリティトランスフォーメーション (Sustainability Transformation)
→ 企業が持続可能な経営へ転換する動き
BX: ビジネストランスフォーメーション (Business Transformation)
→ ビジネスモデルや組織構造の大規模変革
■ 顧客・ユーザー体験関連
CX: カスタマーエクスペリエンス (Customer Experience)
→ 顧客が製品やサービスを利用する際の体験全般
UX: ユーザーエクスペリエンス (User Experience)
→ 製品やサービスの使いやすさや満足度
MX: マーケティングエクスペリエンス (Marketing Experience)
→ 顧客に提供するマーケティング体験
EX: エモーショナルエクスペリエンス (Emotional Experience)
→感情的な体験を重視したデザインやマーケティング手法
PX: パートナーエクスペリエンス (Partner Experience)
→ビジネスパートナーやサプライヤーとの関係性や体験
HX: ヒューマンエクスペリエンス (Human Experience)
→人間中心のデザインやサービス提供を重視する概念
■ 経済・金融関連
FX: 外国為替 (Foreign Exchange)
→ 通貨の取引市場、外国為替取引
X: 輸出(Export)
→国内で生産された商品やサービスを海外に販売すること
X-非効率性(X-inefficiency)
→企業が内部的な非効率性により、必要以上のコストで生産を行う現象
EX: エクスペリエンス・エコノミー (Experience Economy)
→ 体験を価値として提供する経済モデル
X-Tech: 〇〇テック (X-Tech)
→ 「X」に業界を入れて、新技術活用を指す言葉
FinTech (金融 + Tech)
EdTech (教育 + Tech)
HealthTech (ヘルスケア + Tech)
■ 技術・データ関連
XBRL: Extensible Business Reporting Language
→ビジネスや財務報告のためのXMLベースの標準言語
XaaS: 〇〇 as a Service (Everything as a Service)
→ クラウドベースのサービス提供モデル(SaaS, PaaS, IaaSなどを含む)
XOR: 排他的論理和 (Exclusive OR)
→2つの入力が異なる場合に真となる論理演算
■ その他のビジネス関連
XAI: 説明可能な人工知能 (Explainable AI)
→ AIの判断プロセスを説明可能にする技術
EX-Dividend (XD): 配当落ち
→新たに購入した株式に対して、直近の配当が支払われない状態
EX-Distribution (X Dis): 分配落ち
→新たに購入した証券に対して、直近の分配金が支払われない状態
(筆者註※)トランスフォーメーション関連:trans(トランス)はラテン語起源の接頭辞で、同義語のcross(クロス)を省略して表す「X」に置き換えて省略されることがあるのこと。
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以上はビジネス・経済分野の略語ですが、他にも様々な分野に、例えばエンタメ分野であればSFX(Special Effects)、医学分野であればXP(X-ray Photograph)などと、「X」が含まれる略語が多数あります。
「X」が含まれる略語の数々を見ると、この略語の世界はテクノロジーを前提としていると言っても過言ではないように思えます。目まぐるしく進化するテクノロジーの世界にあって、私たちは、新たな「〇〇X」に出逢う機会が益々多くなることでしょう。
さて、「X」といえば、「旧Twitter」のことに触れないわけにはいきません。
「青い鳥」が突如「X」に変身(transform)して2年が経とうとしています。「X」という名は日本では馴染みがないようで、必ずと言っていいほど(旧Twitter)と括弧書きが添えられます。アメリカ人の知り合いに聞くと事情は同じで、…X, previously known as Twitter,…などと表記されることが多いとのこと。このことは、旧Twitterユーザーなら国・地域を問わず同じではないかと想像します。
「Twitter」と「X」、二つのネイミングが与えるイメージの間には大きな隔たりがあります。これが、いつまでも経っても「旧Twitter」と言われる一つの理由かもしれません。
ネイミング「X」の背景には何があるのでしょうか。チャットGPTの調べによると、「X」は単なるSNSではなく「AI・決済・情報プラットフォームの未来形」=スーパーアプリ「X」を目指しているというのです。Tweetすることで得られるコミュニケーションが目的ではなく、それとは全く次元を異にする、それこそ「Xを含む略語の世界」丸ごとを飲み込んでしまうような、そんな野望があるのだそうです。
いったい、5年後、10年後の私たちの世界はどのようになっているのでしょう?