「猫吸い(ねこすい)」という言葉をご存じでしょうか?
猫好きでなくても「へそ天」や「ごめん寝」と同じように、いろいろなところで耳にしたことがあるでしょう。初めて聞いたときは、上手いこと言ったもんだ!と驚いたものです。
それにしても、造語ができるほど「吸い」に癒されている人口が多いとは…。
「吸い」とは、猫に限らず犬でもうさぎでもハムスターでも、要するに家族の一員である愛するペットさんの体に顔をうずめて、スーハースーハーと深呼吸する行為を言います。(他人様の前ではできませんね)
ペットさんにモフモフの被毛があればその柔らかさを堪能し、体温を感じ、わずかな動き(ペットさんの気分)を顔面で感知しつつ、ペットさんの匂いに癒される。「吸い」は心の安寧をもたらしてくれます。
かく言う私も「吸い」の沼にハマった人間の一人。
ポメラニアンの襟毛の「犬吸い」から始まり、ハムスターの背中の「ハム吸い」に物足りなさを感じ(面積小さいですからね)、最終的には長毛ロップイヤーの頭の毛の「うさ吸い」が一番という結論に達しました。

帰宅してお帰りの出迎えをしてくれたペットにただいまの挨拶をしながらの「吸い」タイム。人間は一日のストレスを癒し、ペットは寂しかった時間を穴埋めするような、なくてはならないひととき…。暖かな、太陽のような、落ち着くこの匂い…柔軟剤の香りとかで売り出してくれないかしら。
しかし、獣医師などの専門家からは「吸い」の危険性が指摘されています。人間には健康上のリスクが、ペットさんには健康面と精神面でのリスクが懸念されるとか。
そんな中、ペットさんに犠牲を強いらずに人間は癒されるかもしれない「AIペットロボ」が某企業から昨年11月に発売されました。6万円弱という価格帯ながら初回発売分は想定を上回る早さで完売したそうです。
見た目はモフモフで、人とふれあうことで感情が育つこのコミュニケーションロボットは、育成過程で400万通りの個性を持つようになるとか。
バッテリーの影響なのか、体温のような温かさもほのかに感じられるそうです。そのうち「癒しの匂い付き」なんてオプションも出るかもしれませんね。