昨年、札幌市が開催するカラーユニバーサルデザインセミナーに参加しました。

色の見え方にも多様性があり、できるだけ多くの人に見やすく分かりやすい情報を提供するため、私の住む札幌市では、人によって色の感じ方が異なることに配慮し、情報を正しく伝えるための指針として「広報に関する色のガイドライン」を作成・発行しています。

当たり前のことだと思っていましたが、カラーユニバーサルデザインの実際の導入事例を見ると大変身近なものにも取り入れられており、制作に携わる人間として改めて意識する良い機会となりました。

例えば、信号の押しボタンや地下鉄の電光掲示板、バスの行先表示など。

黒地の背景に赤字の表記ではとても読みにくく感じる方も多いとのことで、最近、黒地に白文字の掲示板が増えたと思っていたのですが、理由が分かりました。

他にも、インテリジェントパーキングアシスト(車の駐車時に使用するバックモニターに出てくる赤・緑・黄の線)や学校の黒板に使用するピンク色の代わりの朱色のチョーク、テレビリモコンの色ボタンや区役所の申請用紙に記載された「あか」「あお」などの情報、津波警報のレベルごとの色分け、「ぷよぷよ」やホラーなどのゲーム上の色のトーン設定など多種多様な導入事例がありました。

私自身は色弱ではありませんが、「色のシミュレータ」という無償アプリを使用すると様々な色覚特性を持つ人の色の見え方をシミュレーションすることができます。

このアプリで様々なものを見てみると、本当に見づらい色分けのものがあることを実感し、驚きました。例えば、アソートのチョコレートなど包み紙の色ごとに味が違う商品も多いですが、色の選び方によっては本当に区別がつきにくかったです。また、防災マップでも色のトーンで区域分けの判別がつかない、玄関マットに注意事項が記載されているのに見えないということもありました。

せっかく時間をかけて翻訳したりデザインした制作物が、色の選び方次第で20人に1人の方には伝わらないということもあるかもしれません。

ご興味のある方はぜひ一度お試しになってみてはいかがでしょうか。