
8年ぶりに熊本に帰省しました。
あの大震災から8年も経ったことに驚きます。
あれから実家周辺の阿蘇がずいぶん変わったことは聞いてはいたものの、実際に目にしてみるとその様変わりは著しいものがありました。
震災からの復興というきっかけはあったとは想像できますが、それだけではく、阿蘇という世界一のカルデラが醸し出すエネルギーのようなものがこの地を動かしているように感じます。
昨今、数多の企業がこの阿蘇に進出し、工場や研究所を建てています。
報道でも知られる某台湾企業の進出もあり、人口は急増の様子。
道路も整備拡張が進み、この先はJR熊本駅-空港までの直通電車も開通するとのこと。
当然ながら、住宅もどんどん増えているわけで、古びていくのは実家ばかり、、、
新型コロナの5類移行後のインバウンドの需要も高まり、何やら熊本は好景気を迎えているようです。
そんな新たな人々を出迎える玄関口の空港がリニューアルされていました。リニューアルオープンは2023年3月3日。熊本空港の愛称は『阿蘇くまもと空港』に変わり、空港外壁のサインもこれに変わりました。世界で知られる阿蘇は漢字で、熊本をひらがなにしたことは、見た目的にもとても良いと私個人は思っています。
空港は木を各所に用いて、デザイン全体の重要な要素としていました。
調べたところ、外観・内装は熊本城をデザインモチーフとして設計されており、熊本城の黒漆や漆喰、石垣、そして阿蘇の火山岩など、地域を象徴する素材をイメージさせるデザインとのことでした。確かに、木の風合いと黒のカラーリングで、落ち着きがあり、かつ優しさも表現された癒される空港となっていました。ちなみに素材の中でも重要なアイテムの木材は、熊本や九州のものをふんだんに使用したとのことです。

そして空港内ですが、私が2fの搭乗口フロアに向かうためエスカレーターに乗ったところ、登る途中から優しい木の香りを感じ、とても心地良い気分になりました。
上がってみれば、2fフロアは以前のごちゃごちゃした感じとはガラリと変わって、広々と開けた空間と、ゲートラウンジに入れば搭乗までをゆったりと過ごせる様々な工夫が随所に見られました。
ラウンジ内に縄のれんに(決して和風に傾きすぎてはいません)囲まれたゾーンがあり、何かと近づけば、そこはカフェのカウンターでしたので早速コーヒーを買います。くまモンパッケージのコーヒーも売っていました(かわいい)。
子供が遊べるキッズゾーンには地元の素材を使った木の遊具。なんかほっこりします。
説明し出したらキリがないのでこれくらいにしますが、本当に素晴らしい空港になっていたと記しておきます。今思えば、トイレも見ておきたかった。そこだけ行ってないのです。
これは決して贔屓めではなく、こんなに落ち着く空港はとても珍しいと、1人空港の待ち時間に感心しきり。デザイナーとして、空港利用者をこんな気持ちにしてくれたのはやっぱりデザインの力ではないかと強く感じ入った次第です。
そして帰京してググってみれば、目指したのは「世界で一番居心地のいい空港」だったと知り、大きくうなづくのでした。
もし熊本にお出かけされる機会がありましたら、ぜひ「阿蘇くまもと空港」での時間をたっぷりとって空港時間を堪能してください。