フランス・パリで開催されるインテリア・デザイン見本市「メゾン・エ・オブジェ(Maison&Objet)」を、展覧会として再構築した展示が、3月3日~3月21日、東京・日本橋の日本橋髙島屋S.C.にて開催されました。

「メゾン・エ・オブジェ」は、1995年にパリで誕生した世界最高峰のデザインとライフスタイルのトレードショーで、世界のインテリア・デザインのトレンドを牽引する、国内外から注目を集めているイベントです。

本場の「メゾン・エ・オブジェ」のエッセンスをぎゅっと濃縮したような今回のイベント。

展示は、次の3つのパートで構成されていました。
第一部は、過去に「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したことのある21人のデザイナーがデザインした椅子と照明の展示。
第二部は、トレンドや新しいライフスタイルを、新商品を配置した空間で表現した展示。
第三部は、日仏の新人クリエイターのプロダクトの展示。

第一部の椅子と照明によりそれぞれのデザイナーのコンセプトを浮き上がらせるキュレーションも見応えがありましたが、私は第二部で提示されたトレンドとその表現に大変興味を持ちました。

掲げられたテーマは、「Elements of Nature(自然の要素)」

・Essential Nature(エッセンシャル ネイチャー / 本質的な自然)
・Contemplative Nature(コンテンポラティブ ネイチャー / 瞑想的な自然)
・Sculptural Nature(スカルプチュラル ネイチャー / 彫刻的な自然)

*エッセンシャル ネイチャー
*コンテンポラティブ ネイチャー
*スカルプチュラル ネイチャー

エッセンシャル ネイチャー:大地を想像させるアースカラーと素材、草木、手仕事。
コンテンポラティブ ネイチャー:海や月を創造させる白やブルー、透明な素材、曲線的。
スカルプチュラル ネイチャー:素材の持つ力強さを強調するプリミティブな形。

提示されたテーマを見ると、SDGsやコロナの影響が色濃く反映されていることがわかります。

コロナで家にいる時間が増えたことで本当に心地よいものが求められるようになりました。また、地球環境を考えた時に、飽きることなく長く使い続けられるもの、再生可能な素材、大量生産ではない手仕事の重要性が問われています。

私たちは、ここ数年、デザイン賞応募サポートのサービスを提供しております。そんな中で、子供たちに地球環境に興味をもってもらうための取り組み、高齢者に働く機会を広げるためのプロダクト、温暖化の過酷な環境で少しでも快適に働くためのツールなど、社会の課題に向きあい、これからの社会を変えていこうという想いに出会うことが少なくありません。

「メゾン・エ・オブジェ」は社会の課題とそれを解決するためのプロダクトを空間デザインによりビジュアルで我々に提示していました。

私たちの事業は、お客さまの想いや生み出された「もの」や「こと」を言葉を使って世界に伝えることです。
課題を解決するプロセスなど、言葉でしか伝えられないこともあります。
言葉だから伝わりやすいこともあるでしょう。
多くの課題、解決のプロセスを言葉で伝えることが、持続可能な社会の実現に貢献することになるのではと、そんな思いを抱いた展示会でした。