師走もあっという間に前半が終わり、いよいよ1年も終わりに近づいてきました。12月になると気になり始め、中旬も過ぎると焦りが来て、それを過ぎると「もういっそやめてしまおうか」と毎年思うこと…年賀状の話をしようと思います。

この頃はメールやSNSで簡単に済ませられるので、出さなくなっている人も増えているようですが、私はまだまだ年賀状に対し、どういうわけかいい意味で執着しています。

1枚ずつ手書きで絵を描いていた小学生時代、大量生産できる技法をあれこれ模索し始めた中学生の頃。絵の具をつけた歯ブラシで金網をこすって雪景色をつくってみたり、英字新聞を切り貼りしてみたりと、熱量が一番あったのはこの頃かも知れません。それからしばらくはプリントゴッコに頼りきりとなり、いつしかパソコンを駆使することになり、今ではネットオーダーの便利さにすっかり甘えていますが、なんの意地なのか、今でも宛名は手書きで書いています。

今年受け取った年賀状の中に、「もう年始の挨拶はこれで最後にしますね」と、年賀状じまいを宣言してきた年長の友人からのものがありました。寂しい思いもありつつ、それでもこちらから出す分には構わないだろうなどと思っていたところ、先日その方のご家族から喪中はがきが送られてきました。闘病していたことや亡くなったときのこと、生前の趣味の話や、彼女のリストに名を連ねていた、つまり近しくしていたと思われる私達への感謝の言葉が丁寧に綴られており、何年か疎遠にしていたことを悔やんで涙が出ました。

でも、直接会う機会こそ減っていましたが、1年に1回の会話を年賀状越しに続けていたので、近況は知ることができていましたし、楽しいやりとりはいくつも思い出すことができます。

SDGsや断捨離、ミニマルな暮らしなど、あれこれスリム化が取り沙汰されている昨今ですが、この63円は節約対象にならない必要な経費だと思っています。全然会ってないしもう出すのやめようかな、ではなく、会っていないからこそ出しておこう。

さて、本当にそろそろ始めなければ…今年が終わってしまう前に。