大学で教鞭をとる友人は、卒業していく教え子たちに、次の芭蕉の言葉を贈っているそうです。
「古人の跡を求めず、古人の求たるところを求めよ」

先人が残した足跡や結果を追い求めるのではなく、彼らが真に追及したかったものを見つけ出し、それに向かって行動しなさいという意味になりますでしょうか。
「先人」を周りの人やものごとに置き換えてみると、この言葉がぐっと身近なものになり、私は迷ったときにこの言葉を思い出すようにしています。


「求めたるところ」の解釈は人によってさまざまでしょう。また、見る角度によっても異なります。
感情的にならず冷静に考え、「求めたるところ」を自分なりに理解し、自分のやりかたで進んでいく・・・ともすれば、跡をたどることに精一杯になってしまいがちな私を、この言葉が軌道修正してくれるような気がします。

「跡を求めず、求めたるところを求める」
これからも、芭蕉が唱えたこの言葉を判断の指針として大切にしていきたいと思っています。

余談になりますが、ChatGPTにこの言葉の解釈を尋ねたところ、以下の返答でした。

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この言葉の意味は「物事の本質を見よ」ということで、松尾芭蕉が弟子たちに自分の考えを押し付けなかったのは、自分だけの観点で見ることで、表現の幅が狭まってしまうことを心配したのではないかと言われています。

この言葉を私が解釈すると、「古人の跡をただ追い求めるのではなく、彼らが本当に求めた本質や真意を理解し、それを探求することが大切だ」という意味だと感じます。

つまり、歴史や先人の遺産を尊重しながらも、単なる模倣や模倣にとどまらず、彼らが伝えようとした思想や価値を見極め、自らの考えと結びつけて新たな価値を創造することが重要だと捉えられます。古人の知恵や教えに学ぶことは大切ですが、その知恵を現代の課題や状況に適応させ、独自の発展を遂げることがより意味のある行動となるのだと思います。

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