先月、悲しいニュースがあったので、ふとネットで「LGBTQ」について調べてみました。
すると今は「LGBTQ+」だったり、「LGBTQIA+」、「LGBTQIAPK」など、いつの間にか頭文字が増えています。
*何の略語なのか気になる方の為に、ブログの最後に後述します。

知れば知るほど奥が深いジェンダー平等問題は、
SDGsがめざす社会に近づくための国際的な課題として捉えられているので、
今や日本の若者を始め社会に浸透してきているのではないでしょうか。


英語では「she/her/hers」「he/him/his」など、
性別によって呼び方が変わりますが、
解決策として単数形の「they」(singular they)
という文法が広まりつつあります。

それではMr.やMs.などのbinaryな英語の敬称はどうなるのか。
nonbinaryな表現として「Mx./Mx」「M.」「Sir.」「Pr.」(Person)など、
新しい表現が使用され始めています。

また、son/daughterは「child」、brother/sisterは「sibling」、husband/wifeは「partner」など、今後は男女二元論にとらわれないnonbinaryな英単語を
選んで使用されるように変化していくでしょう。

私の好きな言葉に、金子みすゞさんの「みんなちがってみんないい」
というのがあります。

この言葉は、解釈の仕方がたくさんあります。
日本語の表現だけでも幾通りもあります。

あなたはあなたでいい。
みんなちがうのがあたりまえで、それでいい。
誰もが違っていていいんだよ。

このような言葉を、英語や多言語に翻訳するとどうなるでしょうか。

例えば「みんなちがってみんないい」の英訳を検索すると、
以下のようにたくさん出てきました。

Everyone is different and everyone is good.
Everyone is different, everyone is special.
We are all different and that’s what makes us wonderful.
There is a genius in every one of us.
We are all different and all wonderful.

皆さんご存知の通り、翻訳には正解がありません。
捉え方次第で何通りもの翻訳が考えられます。

個人的には一番最後の「We are all different and all wonderful.
が好きですが、これがお仕事の場合、どの翻訳を選ぶかの基準は、
「好み」というだけではない場合が多いのです。

お客様の事情によって文字数制限があったり、
改行をしても不自然じゃなかったり、
使用したい/したくない用語があったり。
それぞれの基準をクリアした訳文が、候補の中から選ばれます。

アラヤには、このように翻訳者としての技量を試される
難しい翻訳についても、経験豊富な翻訳者が多数在籍しております。
お客様の意図やご要望を丁寧にヒアリングし、
最適の訳をご提案させて頂きますので、是非ご相談頂ければと思います。


LGBTQIA+とは、性的マイノリティを表す言葉で、
以下の頭文字をとっています。

●Lesbian(レスビアン):性的指向が女性同士の同性愛者
●Gay(ゲイ):性的指向が男性同士の同性愛者
●Bisexual(バイセクシュアル):性的指向が男女両方に向いている両性愛者
●Transgender(トランスジェンダー):身体の性と心の性が一致しない人/身体の性ではなく、心の性で生きていきたい人
●Queer/Questioning(クィア/クエスチョニング):クィアは、LGBTに含まれない性的マイノリティも包括する言葉で、
        クエスチョニングは、自分の性自認や性的指向にまだ迷っている人、あえて選択しない人を指します。
●Intersex(インターセックス):体の状態を指すもので、現在では「DSDs:体の性のさまざまな発達」と呼ばれている。
●Asexual(アセクシュアル):どの性別も性的対象としない無性愛者
+:プラスは、その他の多様な性を包含する言葉