ある日の通勤ラッシュ時のことである。

「ドアが閉まります。ご注意ください」のいつも自動音声が流れたあとに、「ドア付近のお客さま、スマホを引っ込めてください!」という駅員さんの声が聞こえてきた。「手荷物をお引きください!」というのは頻繁に聞くが、スマホは初めてである。どんだけスマホがドアから飛び出ていたのか、それとも駅員さんが腹に据えかねたのか・・。

テレワークを縮小した企業が増え、戻ってきた通勤ラッシュに「そうそう、3年前はこんなだった…」と電車に揺られてる人は少なくないだろう。コロナ禍の期間に会社が移転し、乗り換えと通勤時間が増えた私は、通勤・通学・観光客の増えた本物のラッシュに初めて遭遇したとき、正直言ってビビった。

背中を突くスマホやグイグイ押し付けられるリュックは地味に痛い。カラダ同士なら少しは遠慮があるものの、モノ対カラダだとモノに感覚が無い分容赦がないらしい。

ある調査によると、通勤時間に片道1時間以上かかっている人の8割以上が「座れない」「混雑している」「時間を無駄にしている」「マナー違反する人がいる」などのストレスを感じているとか。

このようなストレス下では、イヤホンで音楽を聴いたりスマホをいじったりするなど自分の世界に入る行為は、自分を守る行動とも言えるだろう。ただ、その行為が周囲に迷惑(ストレス)を掛けていないか振り返ることも必要だ。

世知辛い世の中で気持ちにも懐にも余裕はないけれど、相手のことを思いやる気持ちを忘れないようにしたいものだ。

ちなみに私は、目を休めたいので電車内ではボーっとして過ごしている。