アラヤも会員となっている一般社団法人日本ネーミング協会が、12/4(月)に2023年の日本ネーミング大賞を発表しました。
大賞は「初音ミク」

何故、いまさら「初音ミク」?と思った方は、公式サイトで選考理由をご確認ください。
https://j-naming-award.jp/award2023/%e5%88%9d%e9%9f%b3%e3%83%9f%e3%82%af/

キャラクターのビジュアルは何となく知っておりましたが、実態は歌詞とメロディーを入力して誰でも歌を歌わせることができる「歌声合成ソフトウェア」なんですね。

「テクノロジーだけでなくキャラクター性を持たせたことが成功要因。ネーミングが世界観を拡げた好例」というのが評価された理由のひとつとしてあげられておりましたが、なるほどです。

実はこの発表の前日、歌舞伎座で“超歌舞伎”という、初音ミクが出演(?)する演目を観劇しました。青いツインテールの女の子のアニメが、歌舞伎役者と舞ったり、高い声でセリフを話したり、摩訶不思議。
会場には法被を着た彼女のご贔屓の方々が大勢押し寄せ、ペンライトを振りかざしたり、定式幕をバックに初音ミク人形と写真を撮ったりされておりました。劇場でもペンライトが売られ、歌舞伎ファンと初音ミクファンが一緒にペンライトを振りながらスタンディングする様子は、なかなかの光景でした。

目に見えないソフトウェアが名前と外観を持ち、音楽やイラスト、動画の世界で活躍をし、その上、歌舞伎にも出演。

ネーミングとキャラクター化の可能性に着目した開発者の先見の明はすごいですね。

でも、私には、初音ミクが理解できない。
今後、AIの進化によりいろいろなものが生み出されたら、もっともっと理解できないことが増えてくるのだろうと、わくわくするより不安になります。

そして、初音ミクご出演の歌舞伎はというと、役者さんが新しいことをして盛り立てて行こうとする熱意は素晴らしかったです。が、折角新しいご観劇のみなさんがいらっしゃったのだから、隈取や見得、立ち回り、ツケ打ち、宙乗りという歌舞伎の表層的なことだけではなく、歌舞伎が得意とするどろどろの人間ドラマをきちんと描いて観ていただけたらもっとよかったのではと思った次第です。