サカバンバスピスという魚をご存知ですか?

約4億5000万年前、南半球の浅い海に生息していたとされる古代魚で、一昨年くらい前からSNS等で話題になっているようなのですが、フィンランド・ヘルシンキ自然史博物館で展示されている復元模型がその発端だとか。

・魚らしくなく顔の正面に目がついている
・顎がないため口が閉じられない(のではないか)
・尾びれしかなく、泳ぎがあまり得意ではない(のではないか)
と、聞くだけで、脱力系ゆるキャラが想像できます。

この魚がLINEスタンプやガシャポンやぬいぐるみ、すでに様々な商品になっていることを知ったのは、とあるお客様からの問合せでした。

サカバンバスピスの顔の一部をポスターに使用したいのだけれど、著作権等は発生するのでしょうか?

早速ヘルシンキ自然史博物館へメールを送ったところ、以下のことがわかりました。
・模型を作ったエルガ・マルク=クリク博士は8年前に他界していて、その著作権は博物館にはない
・一般的にEUでは、作品の著作権は作家の死後70年間保護され、子孫に継承される

また、著作権について調べてみると、今度は以下のことがわかりました。
・著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであり、この創作的な部分を無断引用すると著作権侵害にあたる
・動物模型などは、実物を忠実に再現するという制約があり、創作性が認められる部分は少ない

つまり大げさに言うと、犬やイルカなど、単なる生き物の姿をポスターにうつし使用しても、なにかの権利の侵害にはあたらないということです。今回の場合は、博士のつくった「模型」にそっくりのなにかを作って「販売」することで、ようやく著作権に抵触するだろうという結論にいたり、お客様は安心してポスター製作を完遂したのでした。

さてその気になるサカバンバスピスはこちら