そろそろ紫外線も強くなり、日焼けを意識する季節になってきましたね。
日本では日焼け止めやホワイトニング化粧品など、
ホワイトニングに関する様々な商品があります。
歯のホワイトニングやサプリなどもありますね。
若かりし頃の日焼け習慣が祟ったのか、
年々そこら中に現れるシミと格闘し、
お店で「ホワイトニング」という用語を目にすると
やはり手にしてしまう私。
ホワイトニング商品を使用しているだけで、
なんだか魔法にかかったような、
使用していればいつか白くくすみのない肌になれるのではないか、
という錯覚にすら陥ります。
ところが、この「ホワイトニング」という日本では聞き馴染みがある用語は、
欧米諸国ではNGワードになりつつあるのをご存知でしょうか。
先日、とあるホワイトニング商品の英訳を担当したところ、
ネイティブ翻訳者に以下のような指摘を頂きました。
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肌に対する「whitening」という用語は、
現在では人種差別的な表現であると認識されています。
メラニンを抑制すると美しくなるという考えは、
肌の色が濃い人が一般的に抑圧の対象となり、
その犠牲者になっていることを考えると問題があります。
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この指摘にはかなりの衝撃を受けました。
日本に根を下ろして生活をしている私にとっては、
全く気付けない視点でした。
しかし、かつてなくインバウンド需要のある日本が、
いつまでもガラパゴスでいていいわけもありませんので、
このような視点を常に意識していかないといけないなと思いました。
因みにアメリカでは、かつて美白製品は販売されていましたが、
その様な人種差別に関連する製品への反発により、
販売を中止する企業が増えているようです。
代替の表現としては、“whitening”の代わりに“brightening”を使用したり、
“suppresses melanin production”(メラニンの生成を抑制する)という表現の代わりに 、
“suppresses the production of excess melanin”(過剰なメラニンの生成を抑制する)
などと表現したりするようです。
世の中がどんどん変わりゆく中、日本でもいつか「ホワイトニング」商品が消えていく日が来るかもしれませんね。