
こんにちは、デザイナーのHです。「Pantone Connect(パントン コネクト)」では、Adobe製品を通じて利用できるPANTONE(パントン)のカラーパレットがありますが、2022年にPANTONE社が一部のカラーパレットを有料化しました。そのため、無料で利用できる色は制限されていますが、何色あるのでしょうか。
現在、無料で使えるPANTONEは3169色あります。
ブランドカラーを選ぶ際には、PANTONE(パントン)またはDIC(大日本インキ)のカラーガイド(カラーチップ)を使うことがあります。
PANTONEとDICは、どちらも色の一貫性を保つために重要なツールですが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
PANTONEを使用する
PANTONEの特徴:Pantone Matching System (PMS) は、世界中の印刷業者やデザイナーに広く使われており、特にアメリカやヨーロッパのブランドでよく採用されています。印刷や製品デザインにおいて、国際的に色の一貫性を保つことができるため、海外展開を考えているブランドにとっては非常に有用です。
PANTONEを使用することで、デジタルと印刷の間で色の差異を最小限に抑えられます。特にブランドロゴやパッケージデザインで色が重要な役割を果たす場合、一貫性が保たれることは大きな強みです。PANTONEのカラーガイド(カラーチップ)を使い、印刷の色味がどのように表現されるかを事前に確認しましょう。PANTONEは、色ごとの配合が決まっているわけではなく、ライセンス契約しているインキメーカーがチップを基にして配合を読み取り、インキを調合しなければならないようです。
Pantone Connectの活用:PANTONEはデジタルツール「Pantone Connect」を提供しており、デザイナーはAdobe Creative Cloudなどのソフトウェアと連携して、簡単にPANTONEのカラーを選定し、使用できます。これにより、デザイン段階での正確なカラーマッチングが可能になります。
DICカラーを使用する
DICの特徴:DICは日本国内で広く使われ、特に日本の印刷業者やメーカーにとって馴染みが深いです。日本国内でのブランド展開や、和風のデザインを重視する場合には、DICが適しています。
日本市場に向けた製品や印刷物において、DICは非常に信頼性があります。インキメーカーが自社のインキで作れる色をチャートにしているという利点があり、日本の印刷業者と連携する場合、DICを選ぶことで色のズレを最小限に抑えられます。PANTONEほどグローバルではないものの、国内市場に特化したブランドには最適です。
DICカラーガイドの活用:DICもPANTONE同様に、カラーガイド(カラーチップ)を提供しています。これを使用して、印刷物や製品に使用される色の実際の見え方を確認しましょう。また、DICのデジタルツール「DICデジタルカラーガイド」も活用でき、デジタル環境での色選定に役立ちます。
PANTONEとDICを選ぶ際の比較と使い分け
海外展開を目指すブランドにはPANTONEが最適です。PANTONEのカラーはグローバルでの認知度が高く、世界中の印刷業者や製造業者が対応しています。
一方、日本国内市場をターゲットにするブランドにはDICが推奨されます。DICは日本の印刷業界での標準であり、日本市場に特化したデザインや製品で一貫性を保てます。
- 印刷プロセスによっては、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の4色で正確に再現できないこともあります。そのため、オフセット印刷やデジタル印刷の場合には、CMYK変換がどの程度正確かを確認することが重要です。
- PANTONEやDICで選んだカラーをデジタルと印刷で一貫して再現するためには、正確なカラープロファイルの管理が重要です。カラー管理ソフトウェアやプロファイルを使用して、モニターやプリンター間での色の差異を最小限に抑える必要があります。