仕事で書いていたメールの文中、接続詞は『又は』とするべきか『若しくは』とするべきかで引っかかり、考えるうちに、いやここは『並びに』なのか、はたまた『及び』なのか、と分からなくなって使い分けを調べてみました。

『又は』『若しくは』『並びに』『及び』は日常会話ではあまり意識して使い分けることはありませんが、法令条文では明確に使い分けがされています。

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『又は』と『若しくは』は選択的接続詞といい、英語にすると『or』の意味になります。 原則は『又は』が使われますが、同時に使われているときは『又は』は大きなグループ分けで『若しくは』は小さなグループ分けです。大きなグループ分けの『又は』が存在しない文に『若しくは』が出てきたら厳密には誤用です。  

例文:法令条文【労働者災害補償保険法 第十二条の二の二】

労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは〇亡又はその直接の原因となつた事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。

例文:日常的な例では

「コーヒー(ホットorアイス)」⇒「コーヒー(ホット又はアイス)」

「コーヒー(ホットorアイス)or緑茶」⇒「コーヒー(ホット若しくはアイス)又は緑茶」  

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『並びに』と『及び』は併合的接続詞といい、英語にすると『and』の意味になります。同時に使われているときは『並びに』は大きなグループ分けで『及び』は小さなグループ分けになります。原則は、こちらは小さなグループ分けの『及び』が使われます。 文の中に『並びに』にが存在するならば『及び』も存在します。  

例文:法令条文【労働基準法 第二章 第十九条】

使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。 以下、略

例文:分かり易い例文を見つけました

「タカandトシandテツandトモ」⇒「タカ及びトシ並びにテツ及びトモ」  さらっと言えたらちょっと面白い?そうでもない?  

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日本語を学習する方にとって日本語はクレイジーなのだそうですが、日本語ネイティブも実は完全には使いこなせていないのです。学習は続きます。

ちなみに、件のメールには選択的接続詞、大きなグループ分けの『又は』を使いました。