レジ袋が有料になって、もうすっかり日常の光景として定着しました。最初は戸惑ったものの、今では「袋要りません」と自然に言えるようになった方も多いのではないでしょうか。私自身も、エコバッグを持ち歩く習慣がすっかり身につきました。

ただ、個人的にどうしても納得できないのが、どういうわけか紙袋まで有料になっていることです。特に、ケーキやパンを買うときには袋に入れてほしい。袋なしで持ち帰ると、型崩れしてしまったり、パンの油がバッグに染み出したりと、何かと困ることが多く、ちっとも理にかなっていないと思ってしまいます。しかも、街で人が持っている紙袋を見て「なんだかおいしそう♪」と気になって調べるという、食いしん坊ならではのささやかな楽しみも減ってしまいました。おしゃれな紙袋を持ち歩くこと自体、ブランディングの一環だったと思うのですが…。

結局、レジでは袋をもらわなくなったものの、ゴミ袋として必要なので、別でポリ袋を買っています。これではレジ袋削減の意味があまりないような気がします。また、エコバッグを持ち歩く習慣がついたのは良いのですが、気付けば「かわいいエコバッグを集める」という新たな趣味ができてしまいました。気分や用途に合わせて使い分けたりできるのは楽しいのですが、これではレジ袋を購入するよりもあきらかに出費が増えているじゃないの…。

もちろん、環境のためにプラスチックの使用を減らそうという考え方自体には賛成です。でも、全てを一律に有料化するのではなく、必要なものは適切に提供する柔軟さも大切なのではないでしょうか。実際、レジ袋が占めるプラごみは全体の2~3%程度と言われています。つまり、レジ袋を削減しても、プラスチックごみ全体に与える影響はそこまで大きくないのが現実です。むしろ、レジ袋よりも食品包装やペットボトルなどの削減のほうが環境対策としては重要という意見もあります。

レジ袋有料化は、環境問題への意識を高めるという意味では良い施策だったかもしれませんが、「プラスチックごみ削減=レジ袋削減」ではないということが、もっと広く知られるべきなのかもしれません。