先日、中学3年になる息子の体育祭を見に行きました。
いわゆる「α世代」と呼ばれる彼らは、スマホもタブレットも物心ついた時から身近にある世代。
そんな彼らの体育祭が、私たち親世代とはまったく違う進化を遂げていて、思わず驚かされた出来事がありました。

息子のクラスは、体育の時間や練習時に何度綱引きをしてもクラス対抗リレーをしても、いつもビリ。
4クラス中、ダントツの最下位でした。
体育祭前日は息子も「また最下位かな」と肩を落としていました。
しかし当日、なんと奇跡が起こりビリではなく3位という予想外の結果に!
一体何が起きたのか聞いてみると、そこには「α世代らしい」驚きの工夫がありました。
体育委員を中心に、なんとAIを使ってチーム戦略を組み立てていたのです。
クラスリレーに関しては全員の50m走のタイムを入力し、
AIに最適な走順を算出させ、それに基づいて走者を配置したとのこと。
さらに、バトンパスの練習も、AIやYouTube等で研究し、練習をしたというのです。
また、綱引きもただ力任せではありませんでした。
「綱引き 世界大会」「強いチーム 戦略」などのキーワードで、
海外の動画を検索し、引き始めのタイミング、足の位置、体重移動の仕方まで徹底的に研究。
自分たちのクラスの体格や性格に合わせた配置を考え、「力の最大化」を図ったそうです。
驚いたのは、こうした工夫を自然に自発的に実践されていたという点です。
私たち(昭和)の世代が体育祭といえば、「練習あるのみ」「気合で勝て」的な雰囲気が支配的でした。
タイムの速い子を前半やアンカーに配置するのは常識でしたが、ここまで科学的かつ戦略的に考えるという発想はなかったように思います。
それが今では、データとAIを味方にし、自分たちの強みと弱みを冷静に分析したうえで、最善の選択を自ら導き出す。
しかも、それが特別な「秀才」だけの発想ではなく、クラス全体で自然に共有されている。
これが「α世代」なのだと、深く感心させられました。
もちろん、AIを使えば全てがうまくいくわけではありません。
でも、使い方を知り、必要な情報を見極め、戦略として落とし込む力をすでに身につけ始めている中学生たちの姿に、
「この世代が社会に出たら、世の中はどう変わるのだろう」と想像せずにはいられませんでした。
効率と創造性を併せ持ち、デジタルとリアルの境界を当たり前に越えてくる彼ら。
未来を恐れるのではなく、楽しみにしていいのかもしれない——
そう感じた、今年の体育祭でした。