子供の冬休みの宿題をきっかけに百人一首の暗記にチャレンジすることになりました。最初はお付き合いで渋々始めたのですが、覚えた歌が増えるごとに段々と楽しくなってきました。
覚えれば覚えるほど、当時の人がどんな景色を見て、どんな気持ちで歌を詠んだのかが、自然と心に浮かんでくるようになり、暗記が“共感”に変わる瞬間を幾度となく経験するようになったからだと思います。

月を愛でたり、春の光に心が浮き立ったり、秋の夕暮れにふと寂しくなったり。 その感覚は、現代の私たちが日常で感じているものと変わりません。 「昔の人も同じ空気を吸って、同じように心を動かしていたんだな」と思うと、喧騒を忘れて不思議と穏やかな気持ちになります。
「昔の人が身近に感じられる」というのは、ただのノスタルジーではなく、 自分の知っている世界が少し広がるような不思議な感覚です。
読み手の感性が、現代の自分たちの心に重なってくる。 その豊かさこそ、百人一首を覚える醍醐味だと感じました。
言葉は日々更新されていきますが、そこに込められた思いは写真よりも鮮やかに千年以上の時を経て残っていきます。
言葉を扱う者として、「オリジナルの言葉」に込められた意図や背景、真意をしっかりと汲み取れるよう、今年も仕事に励んでいきたいと思います。