近年、文末の句読点(特に「。」)が威圧的・冷たい印象を与えるとして、若者の間で「マルハラ」(マルハラスメント)と呼ばれ、避けられる傾向があるという話を耳にするようになりました。その対策として、句読点の代わりに感嘆符(!)や絵文字を使う例も見られます。
ビジネスメールにおいて感嘆符を使うことについては「軽々しい印象になるのではないか」とためらいがありましたが、最近新聞で感嘆符に関する記事を読み、意識が少し変わりました。記事には次のような内容が記されていました。
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南カリフォルニア大学の准教授シェリル・ワクスラック氏らによる研究が『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌で紹介された。この研究は、感嘆符がビジネスコミュニケーションに与える影響を分析したもので、以下の結果が報告されている。
・感嘆符を使った文章では、分析的思考力に対する評価はやや低下する傾向がある。
・一方で、職務能力そのものへの評価にはほとんど影響がない。
・最も特徴的なのは、性別を問わず、相手に対して好意的・協調的な印象が高まる傾向が強い点である。
研究チームは、米国の事例という限定や文脈の影響を考慮しつつも、「感嘆符の使用をぜひ試してみてほしい」と推奨している。
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こうした研究結果から見ると、感嘆符は書き手が想像するほどネガティブな印象を与えるものではなく、むしろポジティブな感情や親近感を伝え、円滑なコミュニケーションを促す「緩衝材」として機能するようです。
句読点と感嘆符。語尾のたったひとつの記号で、相手との距離が大きく変わることを意識していきたいものです。