ウェブサイトなどを英語化する際、「見出しやキャッチコピーも、きっちりそのまま翻訳すればいい」と考えがちですが、実はそれが陥りやすい落とし穴になる場合が多くあります。日本語と英語では、情報の組み立て方も、読んだときの期待感も大きく異なるためです。
日本語の見出しは、キャッチーさや余韻を重視し、読者に「続きが読みたくなる雰囲気」を重視していることが多くあります。例えば、
「未来を、もっと近くに。」
といった表現。日本語としては美しく、企業サイトではよく見かけるコピーです。
しかし、これを英語に直訳すると、
“Bring the future closer.”
のようになり、一見それっぽく見えても、英語話者にとっては抽象的すぎて意味が取りづらく、「結局この会社は何をするの?」という印象だけが残ってしまいます。
英語の見出しは、日本語と違い具体性と即時理解が求められます。読者は瞬時に「これは読むべき内容か」を判断するため、抽象的なコピーよりも、明確な価値やサービス内容を示すことが重要になってきます。
たとえば、先ほどの「未来を、もっと近くに。」が示したい意図が「最新テクノロジーでお客様の業務効率を高める」ということなら、英語ではむしろ、
“Technology That Moves You Forward.”
“Next-Gen Tech for Next-Level Productivity.”
“Smarter Tech. Faster Results.”
のように、読者のメリットが一目でわかる表現の方が適切といえます。
日本語見出しの「余白や情緒」は、英語でそのまま伝えようとしても情報不足と判断されてしまうことがあります。情緒は“you”などを使って届けたい相手に直接語りかけるなど、別のアプローチも存在します。有名なコピーですが以下などがその例です。
“We love to see you smile.”
“Once you pop, you just can’t stop.”
かといって、日本語の美しさを捨てる必要はありません。日本語版では情緒を残しつつ、英語版では目的や価値を明確に表現するという、言語ごとに最適化した2つのコピーを用意すればいいのです。
見出しは短い言葉ですが、その言葉が本当に伝えたいメッセージを英語の読者にどう届けるか。直訳ではなく、「意図を再設計する」ことで、ようやく伝わる英語版になります。
さてこの記事のタイトル、どうしたら伝わる英語になるでしょうか。Find the Headlineにしないように…
“Headlines That Speak”
“The Story Behind a Headline”
“More Than Just a Headline”
いかがでしょうか?
お困りの際はぜひアラヤへご相談ください。