私はプロジェクトマネージャーの下でファイルのチェックなどを行っています。
DTP関連のドキュメントを扱っていると、時々文字化けに遭遇します。
なかでも目視では確認できない文字化けについてお伝えしたいと思います。
『文字化け』とは字形が正しく表示されない状態ですので、この場合はふさわしい呼び名ではないかもしれませんが。

Windows/Mac双方のドキュメントファイルをご支給いただきますが、ファイルのチェックはWindows環境で行っています。
Macの日本語ファイル名は文字コードが異なるためにWindows環境ではそのまま表示することができません。
そのためMac側でZip圧縮してもらい、解凍ソフトでファイル名を変換するのが一般的です。しかし、濁音または半濁音を含むファイル名には注意が必要です。

解凍ソフトには濁音と半濁音をWindowsルールに変換するものとMacルールを残して変換するものがあります。

Macルールのほうは「ポ」を「ホ」と「゜」、「ガ」を「カ」と「゛」で表示します。

エクスプローラ上では見分けることができません。

Macルールのファイル名に対応していないアプリケーションではファイルを認識できずにエラーとなってしまいます。
では、すべてWindowsルールのファイル名に変えたほうがよいのでしょうか?

Macで濁音または半濁音を含むIllustratorドキュメントをInDesignにリンクファイルとして配置すると、ドキュメントにはMacルールのファイル名が記録されます。
このInDesignドキュメントをWindows環境で編集するときにファイル名をWindowsルールに変えてしまうと、ファイル名の不一致のために参照ファイルを見失ってしまいます。
リンクしなおすと工数がかかりますし、違うファイルをリンクしてしまうかもしれません。日本語のファイル名を使わないのが一番確実です。

このように日々見えない文字化けと戦いながら、お客さまに納得していただけるDTPの提供を心掛けております。
ファイル名ひとつで双方の作業が円滑にいくこともありますので、今後お客さまからのデータのご支給方法についてお願いすることもあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。