iFデザイン賞の一次応募の締め切りが11月19日で終了しました。

今回は、私も数件のプロジェクトに参加しましたが、プロジェクトを通して、「視点を変える」ということを強く感じる結果となりました。

iFデザイン賞の審査基準は、「Idea」「Form」「Function」「Differentiation」「Impact」の5項目。

製品の造形的な魅力、道具としての使い勝手や構造だけではなく、その製品を使うことで社会的、環境的、人道的など、私たちが生きる世界にどのような良い影響を与えるのか、その可能性を備えているのかが問われます。

お客様に上記5項目について説明いただくと、「美しい」・「洗練された」などの主観的かつ表層的な表現や、技術や性能の優位性などマーケティング的な観点でのアピールが多くなるようです。

今回のサポートでは、製品の特性にあわせ、ネイティブやデザイン賞受賞経験のあるデザイナーによる審査基準のポイント解説とお客様へのヒアリングをワーキンググループで行いました。
それを元にコンサルティングを実施し、社会的意義と客観性の観点から応募文章を作り上げていきました。

その結果、お客様からは、「業界の視点から社会の視点でものを見ることができた。自社商品の可能性を改めて感じることができた」「自分たちが気づかなかった視点に気付くことができた」などの感想をいただきました。

同じものについてのアピールでも、「視点」を変えることで伝わり方が変わります。

これは、デザイン賞の応募文章だけの話ではありません。

社会が企業に求めるものが変わってきています。

これまでは、「役に立つものを提供する」、「便利なものを提供する」など、自分たちのやれることを伝えていましたが、昨今は、社会に対して自分の存在がどれだけ意義があるかを客観的に伝えることによって、お客さまから選ばれる存在になることが重要になっています。
特に、世界のマーケットでは日本よりその傾向が強いように感じられます。

企業のビジョンやブランドメッセージは、社会が求める視点に基づき再構築をする必要があるのかもしれません。

デザイン賞サポートのプロジェクトと同様、言葉や文化の違いを理解したネイティブの視点、課題解決から手法を見出し、ものを作り出すデザイナーの視点はそのプロセスに重要なポイントとなります。

アラヤでは、パートナーとの協力体制のもと、日本語、英語に関わらず社会的な意義という観点でブランドメッセージの再構築をお手伝いいたします。