以下引用は2020年3月9日 アサヒグループホールディングス株式会社 ニュースリリースからの記事です。

アサヒグループホールディングス株式会社(本社 東京都墨田区、社長 小路明善)と株式会社Cogent Labs(本社 東京都港区、代表取締役 飯沼純、エリック・秀幸・ホワイトウェイ)は、最新のトレンドを反映し、これまでにない独創的なパッケージデザインを生成する「AIクリエーターシステム」を共同で開発しました。このシステムは、ディープラーニングを活用することで、AIが優れたデザインに共通する特長を独自に抽出し、人間では簡単に思いつかないようなアイデアを生み出すことが可能です。

今回開発したAIクリエーターシステムは、インプットされた画像素材やコンセプトから、多数のデザイン案を作り出す「デザイン生成システム」と、生成されたデザイン案の良し悪しを判断して点数付けする「デザイン評価システム」の2つから構成されており、どちらにもディープラーニングを活用しています。

「デザイン生成システム」は、世の中のトレンドを反映した、多様なデザインデータをインプットすることで、求めるコンセプトに応じたデザイン案を自動生成します。一方「デザイン評価システム」は、自動生成されたデザインを評価するシステムで、デザイン感度の高いモニターによるトレーニングを実施することで、AI自体が優れたデザインに共通する特長を抽出し、点数付けを実施します。

詳細はhttps://www.asahigroup-holdings.com/pressroom/2020/0309.html

AIによるデザインの自動生成、評価の話を聞いた際は、万人受けする似たようなデザインが街に溢れるのではないかと思ったのですが、グローバルなデザイントレンドの情報をインプットすることで、最新トレンドを反映することもできるそうです。

また、デザイン評価についても、クリエーターによる初期学習と都度の学習により、コンセプトに合致した独創的なデザインの生成を目指しているとのこと。

確かに、デザインは問題解決の手法であるので、客観性は重要。情報の整理が重要な工程であるデザインとAIは親和性があるのかもしれません。

ちなみに、アサヒグループでは、「VR商品パッケージ開発支援システム」の開発も発表。3Dモデル生成システムと仮想商品棚生成システムの機能からなり、「AIクリエーターシステム」と連携してパッケージデザインや陳列方法の開発に生かすとのこと。

今後、デザイナーは何案も何案もパターンを制作・提案するという泥臭い作業から解放されるかもしれません。代わりに、AIにインプットする情報の収集、コンセプトキーワードとの紐づけ、AIや従来の手法で生成されるデザインの評価を的確な文章にする作業などが求められるようになるのではないでしょうか。より、デザインと言葉の関係性が重要になる気がします。

デザインやコミュニケーション領域に携わるアラヤとしては非常に興味深い内容でしたので、少し前の情報ですが紹介させていただきました。