みなさんは、行きつけの美容院やお気に入りの美容師はいますか?
私は、ここ20年程は色々な店のカットモデルをしています。

カットモデルというのは、駆け出しの美容師さんの技術習得のための練習台になるという事です。
美容師や学生が実践的なスキルを磨く手助けをするだけでなく、
通常は無料もしくは割引価格でヘアサービスを受けることができます。
その代わりに、美容師や学生はトレーニングを行うための
実践的な経験を積むことができます。
若い美容師さんにとっては、生身の人間の髪で練習するという経験は
とても重要なのです。

カットモデルをやり始めたきっかけは、偶然町を歩いていたら
「カットモデルをやりませんか?」
と声をかけられ、話を聞くと無料で好きな髪形にしてくれるとの事。

そんな嬉しい話はなく、二つ返事で引き受けたのが始まりでした。
何回かやっていると、もちろんちょっとしたミスをされることもあります。
希望通りの髪形にならなかったことも何度もあります。

それでも、若い美容師さんが一生懸命な眼差して切ってくれたり、
接客してくれる様子をみていると、「頑張れ!」と応援したくなるのです。
そして、いつしか「お得だから」という理由よりも、応援する気持ちの方が勝っていき、もうかれこれ20年も経ってしまいました。

先日カットモデルで髪を切ってくれたのは、20代前半の若い男性の美容師さん。
最近は20代の人とは仕事でも接する機会は少ないので、
今の流行の中心にいる世代との会話は新鮮でとても楽しいです。

私が「久しぶりに渋谷に行ったらスマホの充電がなくなりそうになって、慌てて携帯ショップに駆け込んだけど、もう無料の充電サービスは終了しましたといわれ、何軒か回ってやっと充電ができたんだけど…本当に困ったんだよね」という話をすると、
「今はコンビニでモバイルバッテリーをレンタルできますよ!しかも、色んな場所で返却できるから便利ですよ!」とのアドバイス。

そうなの?そんなことできるの?

若い美容師さんは、時代に取り残されそうな私にとって、
情報の宝庫でもあります。
やはりしばらくカットモデルはやめられそうにありません。