こんにちは、皆さん、筋肉動かしていますか?

10年ほど前まで、卵は全卵よりも卵白のみを摂取するのが筋肉にとって良いとされていました。

徹底的に栄養管理を行っているトレーニー(筋トレをする人達)の中には、卵を摂取するとき、わざわざ卵黄を捨て、卵白のみを摂取している人もいました。

これは卵黄に含まれる脂質が原因で、筋肉の成長において不必要な脂質だとして、トレーニーからは嫌われていたからです。

これが10年前の筋トレ界においては「常識」だったのです。

しかし現在では、卵は全卵を摂取するのが筋肉にとって良いとされています。

トレーニーが不必要だと思って捨てていた卵黄に含まれる脂質が、むしろたんぱく質の吸収を助けることが実験で判明したのです。

また、映画「ロッキー」の中で、トレーニングの一環として主人公が生の卵を飲み込むという有名なシーンがあります。

(当時、ロッキーに憧れた方々の中には、彼の真似をして生卵を飲んだ方もいるのでは・・?)

あのシーンはそもそも「効率的なたんぱく質の摂取」というよりも「根性!」みたいなシーンではありますが「トレーニングしているなら生卵を摂取するのが良い」というイメージを多少植え付けるシーンだったのではないかと思います。

しかし、現在は火を通した卵(完全に火を通した卵焼きなどではなく温泉卵や半熟卵など)の方がたんぱく質の吸収率が良い、とされております。

(ロッキーが丁寧に時間を計って美味しそうな温泉卵を食べているシーンだったらあそこまで有名にはならなかったかもしれませんね・・笑)

このようなことを実験する背景には、商業的な背景が存在するケース(特定の食品や製品の販促を行うための実験)もありますので、全ての「最新の実験結果」が正しいものではない場合もありますが、常識というのは、意外と簡単に変わってしまうものなのかもしれません。

言語の常識も似ているのではないでしょうか。

元々は文法的に「間違い」だった表現が、文法的に正しい表現をした時とはなんとなく違う、絶妙なニュアンスの違いを持っている。そしてその表現が新しい「常識」として浸透していく。

少し前ならただ「間違い」と一蹴されていた表現が、新しい表現として受け入れられていく。

そんな常識の変化が日々起こっているように感じます。

マニュアルや公的文書を翻訳する際には、もちろん正しい文法が使用されるのが適切ですが、SNSでの広告や、若い人向けのキャッチコピーを他言語に翻訳する際には、若者の「常識」をとらえて発信することが、ターゲット層の目を引くことにつながるかもしれません。

昨今は機械翻訳などの精度もグンと上がり大変便利になりましたが、人間が人間の書いた文章の意図・ニュアンスをくみ取り、適切な形で、また時には新しい常識を取り入れ”あえて”文法的に誤った表現をすることが大きな影響力を持つこともあるのではないでしょうか。

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