仕事柄、海外の翻訳者とのやり取りが多い中、メールの最初に書く「I hope you are doing well.」に込める思いが、コロナ前とコロナ後とでは明らかに変わりました。

私にとって翻訳者は、お客さまごと、プロジェクトごとにチームを組む、信頼する言葉の専門家であり、大切なチームメイトです。

お客さまのご要望、プロジェクトの背景、そして思いをチームメイトである彼らへ誠意をもって伝え、お客さまにご満足いただけるよう、チームとして連携し進めていく。プロジェクトマネージャーの役割は難しくもやりがいのある仕事であり、喜びも大変さも共有しながら、いつも気持ちよく対応してくれる彼らに支えられていると感じます。

海外の翻訳者の中には日本より被害の大きい国の人もいます。報道で感染拡大やロックダウンといったニュースを耳にする度、その国に暮らしている人を具体的に知っているからこそ、それは決して他人事ではなく、送ったメールに対し無事返信が届くとほっとします。

この一年で大きく変わった生活の中で、いつもと変わらないもののありがたみを、より一層感じるようになりました。

見上げる空がいつものように美しいこと
若葉が芽吹いた後、木陰が涼しく感じられる季節が巡ってきたこと
大切な人が今日も元気でいてくれること

そんな当たり前のようなことが目の前にあることの尊さを、あらためて感じる日々です。