突然ですが「ピクトグラム」をご存知でしょうか。
非常口やトイレのマークとして万国共通で使用されている視覚記号。そう、あれが「ピクトグラム」です。

今年の東京オリンピックの開会式で披露された青と白のピクトグラムパフォーマンスはなかなか斬新で記憶に残っている方もいるのではないでしょうか。
あのハラハラドキドキのパフォーマンス中に気になる一言がありました。
「この「ピクトグラム」って日本発祥なんですよねぇ」というアナウンサーのコメントです。
警告や注意喚起などマニュアルでもおなじみのピクトグラムとは結構長いお付き合いなのですが日本発祥とは初耳でした。

時は遡って1959年、5年後のオリンピックの開催地に正式決定した東京ですが、公共施設の呼称は「休憩所」「御手洗」「食堂」など日本語表記しかありませんでした。今ほど外国語教育が盛んでなかった当時、諸外国から訪日するお客さまをストレスなく的確に案内する方法は非常に大きな課題でしたが、そこで取り入れられたのが「ピクトグラム」でした。
「誰が見てもわかるマークを作ろう」という目標を掲げ、1964年の東京オリンピックでは競技なども含めて約39種類のピクトグラムが作成され、制作に携わったデザイナーさんたちは「社会に還元すべき」と、制作したピクトグラムの著作権を持たないという決断をしました。
わかりやすさと使い勝手のよさを備えた「ピクトグラム」はデザイナーさんたちの想いと共に1964年の東京オリンピック、1970年の大阪万博を経て世界中に広がっていったのでした。

ちなみに、当時最も難しかったのは「トイレ」のマークだったとか。
制作に関わったデザイナーさん達の優れた考察力、デザイン力、そして社会貢献という素晴らしい理念があったからこそ、私達はどこに行っても大切な場所をちゃんと見つけることができるんですね…。

アラヤは翻訳をベースとしたコンサルティング業務もおこなっております。
お客さまの「伝えたい」というご要望を、お客さまと共に考え、課題を共有し、コミュニケーションのプロセス設計をお手伝いいたします。
コミュニケーションツールとして目的に応じたオリジナルピクトグラムの提案もいたしますので、ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。