デザイナーの和田です。

長年デザインをする中で常々思うのですが、「デザインは引き算」だなと。経験を積めば積むほどそう強く思います。

デザインを構成するものは、形、色、線、文字、空間、質感など、これらすべてについて考えなければいけません。たとえグラフィックデザインであっても、視覚から感じる形状や触感というのは大事な要素です。
これらすべての構成要素から様々なベストを選択しないといけないのですが、このベストにたどり着くまでがなかなかな道のりになります。何しろ構成要素が多く、選択肢は無数なのですから。

私はデザインする時に、あれこれと考えをめぐらし、ああしたい、こうしたい、あれもこれも入れたいと、具体的だったり抽象的だったり、アイデアが要素として溢れてきます。この段階ではむしろ溢れるほどアイデアがないと順調ではないので、最初の段階ではこれでいいのですが、問題はここからです。
要素そのままでは一つのデザインにまとまらないので、コンセプトを念頭に、欲張らずに取捨選択し、デザインの一案へと追い込んでいきます。
そんな風に様々なデザイン案を起こし、その中から最適と思われる案に絞り込んでいきますが、そこで繰り返し行っているのが「引き算」です。絶対に必要な要素だけを残し、他を省いていく「引き算」です。

Simple is Bestとよく言われますが、最初からシンプルではないんです。
特に私の場合は、残した要素にパワーを与えるように包含させたり、置き換えたりという気持ちで「引き算」していますから簡単ではありません。
最初からシンプルに決められる人は、頭の中ですでに「引き算」されているのでしょう。
このタフなチャレンジの克服後に、晴れてデザインが完成します。

さて、この「引き算」、どうもデザインの世界だけではないようです。
様々な仕事の業務プロセスの見直しで、作業の取捨選択をして「引き算」をすることは、ビジネスにおいても有効な手段の一つになります。業務自体の効率を上げ、合理化を狙い、コストの削減、ひいては品質を向上させると言っても過言ではありません。

業務プロセスの「引き算」による改善から、新たに見えてくることもありそうです。
アラヤでは、お客様の組織における業務改善のお手伝いをさせていただいております。
業務効率を上げたい、手間がかかりすぎる業務の改善をしたい、組織イノベーションのきっかけにしたいなど、様々なご相談にお応えします。 お客様の条件に合ったサービスの提供を心がけておりますので、まずはご相談ください。